
中学生ごろになると、いわゆる「思春期ニキビ」と呼ばれるニキビができるようになります。毎日洗顔をしていてもポツポツと複数できてしまうのがこのころのニキビの特徴です。ケアの仕方がわからず、気になって思わずつぶしてしまうという人も多いでしょう。しかしその対処法は本当に正しいのでしょうか。
今回は思春期の中学生にニキビができる原因と、その対処法についてご紹介します。
■なぜ中学生のころにニキビができるの?思春期ニキビの原因とメカニズム
【1-1】中学生のころにできるニキビの原因
思春期にできるニキビの原因は、おもに以下の3つです。
・性ホルモンの影響
10代になるとニキビができ始めるのは、第二次性徴が始まり、性ホルモンの働きが活発になるためです。特に男性ホルモンが関係しているとされます。「男性ホルモン」とはいいますが、女性でも骨や筋肉を作るために男性ホルモンが分泌されているため、女性も同様に思春期ニキビができます。
性ホルモンの働きが活発になると、皮膚にある皮脂腺からの皮脂分泌が増えます。この皮脂が毛穴に詰まると、ニキビの原因となるアクネ菌が増殖して炎症が起きます。これがニキビのメカニズムです。
さらに性ホルモンは肌のターンオーバーともかかわっています。ターンオーバーとは、肌の細胞の生まれ変わりのことです。肌の古い細胞は4週間かけて新しい細胞と入れ替わり、古い細胞は角質となってはがれ落ちます。しかし男性ホルモンの影響が強いと、肌が厚く、硬くなりやすくなります。
その結果、ターンオーバーが乱れて角質がはがれにくくなり、毛穴をふさいでしまうため、ニキビが引き起こされてしまうのです。
・食事や生活習慣
皮脂の分泌量は食事ともかかわっているため、食生活によってもニキビができやすくなることがあります。
たとえば甘いものや炭水化物に多く含まれる糖分は皮脂の分泌を増やす働きがあります。これは糖分が体内で分解されると、皮脂の分泌を活発にするためです。中学生は成長期でお腹が空きやすいですよね。部活動をしている人は特に体力を使うため、ついついご飯などの炭水化物を取りすぎてしまうかもしれません。しかしそれがニキビの原因のひとつにもなってしまいます。
また揚げ物など油っぽいものやハンバーガー、フライドポテトなども皮脂の分泌を増やしてしまいます。原因は、これらに含まれる動物性油脂が体内で分解されると皮脂のもとになるためです。つい気軽に食べたくなるファストフードですが、注意が必要だといえます。
以上のような食生活のほか、ストレスもニキビの原因になります。ニキビそのものもストレスの原因となるため、さらにニキビができてしまうといった悪循環に陥ってしまうケースもあるでしょう。
・肌の乾燥
余分に洗顔をしてしまうなどすると、肌が乾燥することがあります。乾燥した肌はターンオーバーが乱れがちになるのが特徴です。さらに乾燥した肌は不足したうるおいを取り戻そうとするため、皮脂が多く分泌されます。うるおいを失った肌は肌を守る機能が低下しているため炎症を起こしやすくなっています。このようなメカニズムから、乾燥もニキビができる要因の1つです。
■NG!ニキビをつぶしたら後悔することに!
【2-1】ニキビをつぶすと大人になっても跡が残る!
ニキビができたときにもっともやってはいけないことのひとつが、ニキビをつぶすことです。
特に炎症が起こっている赤ニキビや、膿まで出ている黄ニキビは、炎症や化膿が皮膚の表皮だけでなく、その下にある真皮層の組織までダメージが及んでいるため注意が必要です。このように組織が傷ついている状態でさらにニキビをつぶすと、真皮層がえぐれてクレーターができてしまいます。
真皮層が傷つくと、皮膚の弾力を作っている物質が生成・形成される組織が、傷ついたり失われたりします。すると、もとの健康な皮膚の状態に戻りにくくなってしまうのです。
クレーター状になるだけでなく、皮膚が薄くなってケロイド状になったり、色素沈着が残ったりする場合もあります。また指に雑菌がついている場合は、さらに炎症が悪化してしまうこともあるため注意が必要です。
クレーターになってしまったニキビ跡は一度できると簡単には治療できず、多くの場合大人になっても残ってしまいます。ひょっとすると「思春期は新陳代謝がよいため、傷の治りが早く、ニキビ跡も残りづらい」ということを聞いたこともあるかもしれませんが、それはあくまでも「残りづらい」ということであって、ニキビ跡が一生残るかもしれないリスクには変わりがありません。
大人になってから治療をしようとすると、レーザーなど高額な治療が必要になります。将来後悔しないためにも、ニキビはつぶさないようにしましょう。
【2-2】跡が残る以外にもある!ニキビをつぶしてはいけない理由
ニキビをつぶすと、その周りのニキビも、刺激してしまい、他のニキビが悪化する危険性もあります。早く治るはずだったニキビも治りが悪くなってしまう可能性がありますので、ニキビは刺激しないようにしてください。
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