
ニキビは身体の様々な部位にできますが、頭にもニキビはできます。他の部位と同じく、ニキビができる原因は共通していますが、髪の毛と頭皮のケアをセットにしてニキビ対策を考える必要がありそうです。頭ニキビの予防と改善には何をしたら良いでしょうか?では、頭のニキビについて詳しく見てみましょう。
1. 頭のニキビとは?
頭のニキビは、頭皮の中でも皮脂の分泌が盛んな頭頂部と生え際を中心に発生しやすいと言われています。また、頭にはアクネ菌が原因のニキビだけではなく、脂漏性(しろうせい)皮膚炎というマラセチア菌が原因の皮膚炎が発生することもあります。
1-1. 頭皮と生え際にできるニキビ
頭皮は身体の中で最も皮脂の分泌量が多い部位と言われています。頭皮の皮脂腺の数は、1平方センチメートル中約800個もあり、その割合は額(Tゾーン)の約2倍、腕や足の約16倍になります。さらに、角質化しやすく薬用成分も浸透しづらいため、ニキビが出来やすい部位なのです。また、頭皮や生え際にニキビができると治りにくいと言われています。
頭皮と生え際も、他の部位にできるニキビの原因と同じく、ホルモンの乱れやストレス、食事のかたより、乾燥や紫外線などにより、汗や皮脂のつまりやターンオーバーが乱れて発生します。それに加え、頭皮にシャンプー、リンスやワックスの洗い残し、生え際に洗顔料やメイクの洗い残しがあるとニキビができやすくなります。
1-2. 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
頭にフケや痒みがある場合は、ニキビではなく脂漏性皮膚炎の可能性もあります。脂漏性皮膚炎とは、マラセチアというカビの一種による皮脂の分解産物が発生し、その刺激によって発生する皮膚炎です。
症状としては、頭皮のフケが多くなり、悪化すると頭皮が固くなって分厚いかさぶたがこびりついてきます。適切な治療をしないと慢性化または再発する可能性のある疾患なので、医師に相談のもと早めの治療をおすすめします。
2. 頭ニキビの予防とケア方法
頭ニキビや頭皮の脂漏性皮膚炎に関しては、皮膚科で処方されるステロイド剤や抗ヒスタミン剤、抗真菌剤が効果的と言われています。それでは、日常的に自分でできる頭のニキビの予防・改善方法はどのようなものがあるでしょうか?
2-1. 頭皮と髪にやさしい洗髪を
頭ニキビの予防のためには、まず毎日の洗髪を正しく行うことが大切です。
【ニキビ予防として効果的な洗髪方法】
- 洗髪前に髪の表面を軽くブラッシングして汚れを落とす。
- 髪を十分に濡らしてシャンプー。
- シャンプー後は十分にすすぎ。
- シャンプーが落ちきっていないことが多いので、しばらくはすすぎを続ける。
- リンスも同様に、十分にすすぎ。
シャンプーやリンスが頭皮に残っていると、毛根に詰まりニキビの原因になってしまいます。洗い残しがないように、良いと思ったタイミングよりも長めにすすぎをするのがポイントです。
ただ、汚れを落とすために一日に何度も洗髪をしたり、頭皮に爪を立てて強く洗ってしまうと頭皮を痛めてしまいます。頭皮が痛むと、本来必要な皮脂をも取り除いてしまうため、頭皮のバリア機能が低下し、頭のニキビができやすくなってしまいます。
洗髪後は、十分に乾かすのが望ましいです。水分を頭皮に残したまま放置、例えばシャワーキャップやタオルを巻いたまま眠ってしまうと、雑菌が繁殖してニキビの原因になってしまいます。また、朝シャンの後、十分に頭皮を乾かさないまま外出すると、紫外線による頭皮のダメージは増加し、頭皮が炎症を起こすためニキビができやすくなります。
2-2. 枕のこまめな交換
枕には想像もできないほどの大量の雑菌が存在していると言われています。なぜなら、睡眠中は新陳代謝が活発になるので、頭からは大量の皮脂や汗が分泌されます。それを放置しておくと雑菌が繁殖するのです。
枕が不潔であると、枕から逆に頭皮に雑菌が付着し、それが頭のニキビの原因になります。また、顔も枕に接するので顔のニキビも出来やすくなります。枕カバーや枕の殺菌をしっかりおこないましょう。
【効果的な枕の殺菌方法】
- バケツに40度のお湯を入れ、小さじ1杯の重曹を投入。
- そのバケツの中に枕と枕カバーを30分程漬け込む。
- その後、洗濯機で洗濯。
こまめな枕の交換、殺菌、洗濯、日干しによって枕と枕カバーを清潔に保つことが、頭のニキビ予防と改善につながります。また、多忙で枕カバーや枕の殺菌をすることが困難であれば、毎日枕に清潔なタオルを敷いて眠るだけでも随分と違います。
2-3. 紫外線対策
意外に見落としがちなのが、頭の紫外線対策です。空に一番近い頭には大量の紫外線が差し込んでいます。紫外線は皮膚の表皮と真皮層の組織を破壊し、乾燥状態を引き起こすので肌のターンオーバーのサイクルを狂わせ、ニキビが発生しやすくなります。
外出時は通気性のよい帽子をかぶると紫外線対策としては効果的です。帽子の中でも、UV加工が施されたつばの広い帽子が理想的です。ただ、帽子をかぶり続けていると、汗で頭皮がむれてしまうので、それも頭ニキビの原因になります。頭皮の汗はこまめに拭きとりましょう。
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