
“ニキビは思春期にできるもの”というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。しかし実際には、ストレスや生活習慣の乱れなどさまざまな要因で20歳頃まで長引く場合があります。
早く治すには皮膚科に通うのが最適だと分かっていても、学校や仕事がある方が継続して通院するのはなかなか難しいものです。
そこで、ニキビ市販薬の特徴やメリットを内服薬と塗り薬の2つに分けて解説し、家庭でセルフケアをする際のポイントと、ニキビに効果的なおすすめの市販薬をご紹介します。
1.ニキビの薬はどのように効くの?
ニキビの薬には大きく分けて「内服薬」と「塗り薬」の2種類があります。まずはそれぞれの特徴を理解しましょう。
1-1.ニキビ予防には内服薬、ニキビ改善には塗り薬
内服薬には、皮膚の健康維持や脂質・タンパク質・糖質などの代謝を助けるビタミンB群を中心に、肌の新陳代謝を促す成分が含まれています。これらの成分には新陳代謝を促進することで肌のターンオーバーを正常化し、身体の内側からニキビのできにくい体質を作る役割があります。
対して塗り薬には、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を防ぐ殺菌作用や、肌の活性化を促進しニキビの治りをサポートする細胞活性化作用、さらにニキビの赤みを抑える抗炎症作用を持つ成分が含まれ、肌の外側からニキビに直接働きかける役割があります。
つまり、内服薬はこれからできるニキビの予防に、塗り薬は今あるニキビの改善に効果があるといったように、それぞれニキビへのアプローチの方法が異なります。目的に応じて使い分けることが大切です。
1-1-1. 内服薬が効いていくメカニズムとメリット・デメリット
内服薬が体内に入ると、まず肌の新陳代謝を促す成分が血液へ溶け込んでいきます。その後、成分が血管を通って全身に行き届き、バリア機能が低下してニキビができやすくなった肌にも到達します。そうすると、内服薬に含まれる成分の働きによって肌のターンオーバーが正常化し、ニキビができにくい肌の状態に整えることができます。
また、ニキビに効く内服薬としては、漢方薬も有効です。漢方薬には、体内に摂りこむことでニキビができやすい体質そのものを改善する働きがあります。ただし、身体に合わない漢方薬を服用すると食欲不振や不眠、ほてりなどの症状が出ることがあるため、ニキビ薬として漢方を服用したい場合は、専門医に処方してもらうことをおすすめします。
1-1-2. 塗り薬が効いていくメカニズムとメリット・デメリット
ニキビの塗り薬によく用いられる成分のひとつに「サリチル酸」があります。サリチル酸を配合した塗り薬を肌に塗布すると、肌の古い角質が溶かされ、角質層が薄くなります。角質層が薄くなると肌が柔らかくなるので、化粧水や美容液に含まれる有効成分がより浸透しやすくなり、皮脂もつまりにくくなります。また、サリチル酸にはアクネ菌の増殖を防ぐ働きもあるため、洗顔後に患部に塗ることで、肌の表面からニキビの悪化を抑える効果が期待できます。
塗り薬はドラッグストアでも簡単に手に入るため、日々のニキビケアに手軽に取り入れられるメリットがあります。一方で、塗り薬の種類によっては、薬を塗った後にメイクができないデメリットもあります。
たとえば、軟膏タイプの塗り薬には油分が多く含まれているため、塗り薬の上からメイクをするとファンデーションのノリが悪くなったり、薬を塗った部分のメイクが浮いてきたりすることがあります。薬を塗った後でもメイクがしたい方は、クリームやローションタイプの塗り薬を選ぶとよいでしょう。
1-2.ニキビのセルフケアには市販の塗り薬がおすすめ
家庭でニキビをケアするには、市販の塗り薬を活用するのがおすすめです。ドラッグストアやスーパーの化粧品売り場などで入手しやすく、種類も豊富なため、自分に合った商品を選ぶことができます。さらに塗り薬は、患部に塗るだけという手軽さから、忙しい方でも毎日のニキビケアに取り入れやすいといえるでしょう。
next> 1 2 3